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公開日 2026.03.30 更新日 2026.04.02

アルミの種類全7系統の特徴一覧と現場で使える見分け方を解説

アルミニウムは、軽量で加工性に優れる一方で、純度や添加元素によって性質が大きく異なる金属です。
しかし、見た目だけでその違いを判断することは難しく、適切な材料選定に頭を悩ませる現場責任者の方も少なくありません。

本記事では、製造業の現場で役立つアルミ合金の基礎知識や、全7系統の特徴や用途を解説します。
自社の製品や、加工条件に最適なアルミ材を選び抜くための参考にしてください。

アルミニウム合金の分類と4桁番号の意味

アルミ材はJIS規格に基づき、4桁の数字と記号で管理されています。
これらを正しく読み解くことで、その材料が持つ強度や加工特性、熱処理の有無などを判断できます。

材質記号の基礎となる、以下の3つを見ていきましょう。

  • 調質記号F・O・H・Tが示す硬化と熱処理の状態
  • 4桁の数字が表す添加元素と性質
  • 純アルミとアルミ合金の決定的な違い

これらは、図面指示や材料発注の際に必須となる知識です。

調質記号F・O・H・Tが示す硬化と熱処理の状態

材質記号の末尾に付くアルファベットは「調質記号」と呼ばれ、その材料がどのような処理を経ているかを表します。

「F」は製造したままの状態で、特別な調整を行っていないものを指します。
「O」は焼きなましを行い、もっとも柔らかく加工しやすい状態にしたものです。
「H」は冷間加工によって硬さを増した加工硬化状態を意味し、非熱処理合金によく見られます。
「T」は溶体化処理などの熱処理を施して強度を高めた状態で、おもに熱処理型合金に用いられるものです。

これらを理解することで、加工のしやすさや強度レベルを事前に予測できます。

4桁の数字が表す添加元素と性質

アルミ材の名称である4桁の数字には、それぞれ明確な意味が込められています。
最初の1桁目は「シリーズ」を表し、主となる添加元素の種類を示しています。
たとえば、1000番台は純アルミニウム、2000番台は銅を添加した合金、といった具合です。

2桁目は改良の有無や制定順を示します。そして3桁目と4桁目は、1000番台の場合はアルミニウムの純度(純度99.〇〇%の小数点以下2桁)を表し、2000番台以降の合金では個々の材料を区別するための識別番号を表しています。

4桁の数字を見るだけで、その材料がどのような元素を含み、どのような特性を持っているかを把握できれば、材料選定のスピードは格段に上がります。

純アルミとアルミ合金の決定的な違い

純アルミとアルミ合金の違いは、強度と機能性のバランスにあります。
1000系に代表される純アルミは、アルミニウム本来の軽さや熱伝導性、耐食性を色濃く持っていますが、強度が低く構造材には向きません。
一方で、銅やマグネシウムなどを添加したアルミ合金は、純アルミの弱点である強度を大幅に向上させています。

ただし、添加する元素によっては耐食性や加工性が低下する場合もあります。
求める製品スペックに対して、強度を優先するのか、それとも耐食性や加工性を取るのかを見極めることが肝心です。

主要なアルミ合金7系統の特徴と用途一覧

アルミニウム合金は添加される元素によって、以下7つの系統に大別されます。

  • 1000系は加工性と表面処理性に優れる
  • 2000系は銅を含み強度が高いが耐食性は劣る
  • 3000系は純アルミの強度を少し高めたタイプ
  • 4000系は熱に強く摩耗しにくい素材
  • 5000系は耐食性と強度のバランスがよい万能材
  • 6000系は強度と耐食性を両立し構造材に向く
  • 7000系はアルミ合金中トップクラスの強度を持つ

それぞれの系統には得意な分野と苦手な分野があり、これらを熟知することが適材適所の材料選定につながります

1000系は加工性と表面処理性に優れる

1000系は純度99.0%以上の純アルミニウムで、A1050やA1100などが代表的です。
この系統の最大の特徴は、柔らかく加工しやすい点です。
プレス加工や絞り加工などの塑性加工に適しており、複雑な形状の成形も容易に行えます。

電気や熱をよく通すため、送電線や放熱板としても重宝されるものです。
表面処理性にも優れており、アルマイト処理を行うときれいに仕上がります。
ただし、強度はほかの合金に比べて著しく低いため、荷重がかかる構造部材や強度が必要な機械部品には不向きであることを認識しておきましょう。

2000系は銅を含み強度が高いが耐食性は劣る

2000系は銅を主添加元素とする合金で、A2017(ジュラルミン)やA2024(超ジュラルミン)が有名です。
鋼材に匹敵する高い強度と優れた切削性を持っており、航空機の部品や機械の構成部品として広く利用されています。

しかし、銅を含んでいるために耐食性が低く、湿気や腐食環境下では錆びやすいという弱点があります。
そのため、使用環境によっては十分な防食処理が必要です。
溶接割れが発生しやすいため、溶接構造用としては推奨されません。
高い強度が求められる部品で、かつ防食対策が可能な場合に適しています。

3000系は純アルミの強度を少し高めたタイプ

3000系はマンガンを添加した合金で、A3003やA3004が代表的です。
純アルミニウムの加工性や耐食性を維持しつつ、強度をわずかに向上させたバランスのよい素材です。
とくにA3004は、私たちの身近にあるアルミ缶のボディ材として大量に使用されています。

建材や屋根材、カラーアルミなどにも採用されており、成形加工が必要な用途で幅広く活躍します。
強度は純アルミよりも高いものの、熱処理によって硬化させられません。
適度な強度と高い成形性、そして優れた耐食性が求められる場面で真価を発揮する材料です。

4000系は熱に強く摩耗しにくい素材

4000系はシリコンを添加した合金で、耐摩耗性と耐熱性に優れているのが特徴です。
熱膨張係数が小さいため、温度変化による寸法変化が少なく、エンジン部品のシリンダーヘッドなどに多用されています。
融点がほかのアルミ合金よりも低いという特性を活かし、溶接用のワイヤーやろう付け材としても広く使われています。
A4032などが代表的な材質です。
シリコン添加により熱膨張を抑えつつ硬いシリコン粒子が分散するため、優れた耐摩耗性を発揮します。
機械的性質だけでなく、熱的性質も考慮すべき用途に適しています。

5000系は耐食性と強度のバランスがよい万能材

5000系はマグネシウムを添加した合金で、A5052がその代表格としてもっとも広く流通しています。
中程度の強度を持ちながら、耐食性や加工性、溶接性のバランスがよいため、汎用的な「万能材」として扱われています。

板金加工から切削加工まで幅広く対応でき、自動化機器の部品や船舶用の部材、車両用材など、あらゆる分野で使用されるものです。
とくに海水に対する耐食性が高いため、海洋開発の現場でも重宝されます。
極端な高強度を求めない限り、まずはA5052を検討するというのが、設計における1つのセオリーとなっています。

6000系は強度と耐食性を両立し構造材に向く

6000系はマグネシウムとシリコンを添加した合金で、A6063などが有名です。
強度と耐食性の両方を兼ね備えており、とくに押出加工性に優れているのが特徴です。
アルミサッシなどの建築用材や、複雑な断面形状を持つ構造材として多用されています。

熱処理を行うことでさらに強度を高められるため、ボルトやナットなどの部品にも使われるものです。
A5052と比較すると、A6063は強度がやや劣りますが、A6061-T6であればA5052を上回る強度が得られます。
押出成形による自由な断面形状が得られる点は、大きなメリットです。

7000系はアルミ合金中トップクラスの強度を持つ

7000系は亜鉛とマグネシウムを添加した合金で、アルミニウム合金の中でもっとも高い強度を誇ります。
中でもA7075は「超々ジュラルミン」と呼ばれ、航空機やスポーツ用品、金型材など、軽さと強度の両方が極限まで求められる分野で使用されるものです。

A7N01は溶接構造用として開発され、熱影響部も強度が低下しにくい特性があります。
しかし、注意点として、A7075などの極めて強度が高いタイプは耐食性が低く、応力腐食割れを起こしやすい特徴があります(そのため、表面に別の合金をはり合わせて耐食性を改善した合せ板として使用されることもあります)。

一方で、A7N01のように耐食性も良好に保たれている合金も存在するため、用途に応じた使い分けが重要です。
いずれにしてもコストも比較的高価になるため、本当にその強度が必要かどうか、設計段階で十分検討しなければなりません。

現場ですぐ実践できるアルミ材質の見分け方

製造現場では、端材や在庫材料の材質が不明になり、判別に困るケースが多々あります。
そこで、特別な道具を使わずにできる見分け方として、以下の3つを紹介します。

  • 硬さと重さの感覚で大まかに区別する
  • 1円玉を使って硬度を簡易的に比較する
  • 表面の色味や光沢感の違いを観察する

あくまで推定の域を出ませんが、急場をしのぐ判断材料として役立ちます。

硬さと重さの感覚で大まかに区別する

もっとも基本的なのは、手で持ったときの感覚や、軽く叩いたときの反応で見分ける方法です。
同じ大きさの材料であれば、純アルミ(1000系)よりも、銅を含む2000系や亜鉛を含む7000系の方が、比重の関係でわずかに重く感じることがあります。

端材を少し曲げてみるのも有効です。
1000系や3000系は柔らかく簡単に曲がりますが、2000系や7000系、5000系などは反発力が強く、容易には曲がりません。

1円玉を使って硬度を簡易的に比較する

身近にある1円玉は、純度99%以上の純アルミニウムでできています。
これを利用して、硬度差による引っかき試験を行えます。
材質不明のアルミ材の表面を、1円玉の縁で強めにこすってみてください。

もし1円玉の方が削れてしまう(負ける)ようであれば、その材料は純アルミよりも硬い合金(2000系、5000系、7000系など)である可能性が高いです。
反対に、対象のアルミ材に容易に傷がつくようであれば、1円玉と同程度の柔らかい材質(1000系など)であると推測できます。

表面の色味や光沢感の違いを観察する

アルミ合金は、添加されている元素によって表面の色味や光沢に微妙な違いが生じます。
たとえば、1000系は白っぽく明るい銀色をしており、光沢が強い傾向です。

一方、マンガンを含む3000系や、マグネシウムを含む5000系は、純アルミに比べるとやや青みがかったり、くすんだ灰色に見えたりすることがあります。
銅を含む2000系は、酸化すると黒ずみやすいのが特徴です。
並べて比較しないと分からないレベルの微差ですが、普段から標準サンプルの色味を目に焼き付けておくことで、異材混入などのトラブルを未然に防ぐ感覚が養われます。

まとめ:アルミの種類を正しく理解し最適な材料選定を行う

アルミ合金は材質ごとに特性が異なり、用途に合わせた最適な選定と加工法の見極めが品質を左右します
しかし、多岐にわたる材質から最適解を導き出し、適切なサプライヤーを探すのは大きな負担です。

広商NEXUSでは、独自のネットワークを活かした最適な加工部品調達を行っています。
単に図面どおりに作るだけでなく、社内設計による改善提案や、協力会社と連携した厳格な品質保証体制も完備しています。
アルミ部品の調達から組付けまで、コストダウンと品質向上をワンストップでサポートしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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