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設備保全とは?経営視点で考えるあるべき姿について解説

設備の老朽化や突発的な故障による生産遅延にお悩みではありませんか?
現場の人手不足や属人化も相まって、これからの設備保全の在り方に不安を感じている方も多いでしょう。
本記事では、設備保全が企業の利益に直結する理由や、効率化を実現するための具体的な手法を解説します。
持続可能な生産体制を築き、経営課題を解決するため参考にしてください。
設備保全が企業の利益と直結する理由
製造業において、設備保全は単なる維持管理業務ではなく、経営戦略の要となる活動です。
適切な保全を行うことで、コスト削減や収益向上といった具体的な成果を生み出せます。
設備保全がどのように企業の利益に貢献するのか、その仕組みを3つの視点から解説します。
- 生産の安定稼働により収益を守る
- 設備の長寿命化で投資コストを抑える
- 従業員の安全を確保しリスクを減らす
それぞれ見ていきましょう。
生産の安定稼働により収益を守る
設備保全の最大の目的は、生産ラインを止めないことです。
突発的な故障で設備が停止すると、生産計画が狂い、納期遅延や機会損失といった大きな損害が発生します。
定期的な点検やメンテナンスによって設備の状態を常に最良に保てば、こうしたリスクを最小限に抑えられます。
安定稼働は製品の品質維持にもつながり、不良品の発生を防ぐ効果も期待できるでしょう。
結果として、顧客からの信頼を獲得し、継続的な収益確保に貢献します。
設備があたり前に動く状態を作ることが、企業の利益を守る第一歩です。
設備の長寿命化で投資コストを抑える
適切なメンテナンスを続けることは、設備の寿命を延ばすことにもつながります。
設備を使いっぱなしにして故障してから修理するよりも、日頃から手入れをして小さな不具合の段階で対処するほうが、トータルのコストは安く済みます。
大規模な修理や早期の買い替えが必要になれば、莫大な設備投資がかかってしまうでしょう。
計画的な保全活動によって設備を長く使い続けられれば、長期的には大きなコスト削減効果が得られます。
限られた予算を有効に活用するためにも、設備を大切に扱う意識を養うことが求められます。
従業員の安全を確保しリスクを減らす
設備保全は、従業員の安全を守るためにも欠かせない活動です。
整備不良の機械は誤作動を起こしやすく、作業者を巻き込む重大な労働災害につながるかもしれません。
定期的な点検で危険箇所を早期に発見し、対策を講じることで、安心して働ける職場環境を提供できます。
安全な職場は従業員のモチベーション向上にもつながり、生産性の向上にも寄与するでしょう。
事故による操業停止や賠償問題といった経営リスクを回避する意味でも、保全活動は重要です。
安全第一の考え方は、企業の社会的責任を果たすうえでも不可欠といえます。
設備保全の基礎知識と機械保全との違い
「設備保全」と似た言葉に「機械保全」がありますが、この2つは対象範囲や目的に違いがあります。
自社の課題を正しく把握するためには、言葉の定義を明確にしておくことが大切です。
設備保全の基本概念と機械保全との違い、さらにメンテナンスや修理との役割分担について、以下3つを解説します。
- 工場全体の機能を維持する設備保全
- 機械そのものの維持に特化した機械保全
- メンテナンスや修理との役割の違い
それぞれの違いを整理し、適切な保全計画の立案に役立ててください。
工場全体の機能を維持する設備保全
設備保全とは、工場内の生産設備が正常に稼働するように維持及び管理する活動全般を指します。
製造ラインの機械を中心に、それを制御する電気や計装機器、生産に関わるユーティリティ設備などがおもな対象です。
企業によっては建屋などのインフラ管理を含む場合もありますが、一般的には工場保全として区別して扱われます。
設備の導入から廃棄までのライフサイクル全体を見据え、計画的に点検や更新を行うことが求められます。
工場全体のパフォーマンスを最大化するために、広い視野で設備の状態を把握し、最適な対策を講じることが設備保全の役割といえるでしょう。
機械そのものの維持に特化した機械保全
機械保全は、製造設備である「機械」そのものの維持管理に特化した活動を指します。
具体的には、機械の構成部品であるモーターやギア、ポンプなどの点検・修理・調整がおもな業務です。
設備保全の一部に含まれる活動ですが、より専門的な技術や知識が必要とされます。
機械の構造を熟知し、振動や音などのわずかな変化から異常を察知するスキルが求められるでしょう。
国家資格である「機械保全技能士」も存在し、現場の技術力を測る指標の1つとなっています。
メンテナンスや修理との役割の違い
「メンテナンス」や「修理」も保全活動の中で頻繁に使われる言葉ですが、それぞれニュアンスが異なります。
メンテナンスは「機能を維持するための手入れ」を意味し、清掃や給油、部品交換などの日常的な作業を指すことが一般的です。
対して修理は、「壊れたものを直す」行為であり、故障が発生したあとの事後的な対応を指します。
設備保全はこれらを包括する概念であり、メンテナンスによって故障を防ぎ、万が一故障した際には修理を行うという一連のプロセス全体を管理します。
製造現場で実施される3つの保全方式
設備保全を効果的に進めるためには、その代表的な方式を理解し、自社の状況に合わせて適切に使い分けることが求められます。
保全方式は、大きく分けて以下の3つに分類されます。
- 故障してから修理を行う事後保全
- 計画的に点検を行う予防保全
- 状態を監視して予兆を捉える予知保全
自社の設備にどの方式が適しているかを見極める参考にしてください。
故障してから修理を行う事後保全
事後保全は、設備が故障したり性能が低下したりしたあとに修理を行う方式です。
壊れるまで使い続けるため、事前の点検コストがかからないのがメリットです。
電球の交換のように、故障しても生産への影響が少なく、かつ簡単に交換できる設備に適しています。
しかし、生産ラインの主要設備でこの方式をとると、突発的な故障で長時間停止するリスクが高まります。
修理部品の調達に時間がかかれば、納期遅延などの大きな損害につながりかねません。
そのため、重要度の高い設備に対しては、事後保全のみに頼るのは避けるべきでしょう。
計画的に点検を行う予防保全
予防保全は、あらかじめ定めた期間や稼働時間ごとに点検・部品交換を行う方式です。
定期的にメンテナンスを行うことで、故障の発生を未然に防げるのが特徴です。
カレンダーに基づいて行う「時間基準保全(TBM)」が一般的で、計画的な予算管理や人員配置がしやすくなります。
一方で、まだ使える部品も交換してしまう可能性があるため、過剰保全によるコスト高が懸念されます。
また、点検周期の合間に突発的な故障が起きるリスクもゼロではありません。
過去のデータなどを参考に、最適な点検サイクルを設定することが肝心です。
状態を監視して予兆を捉える予知保全
予知保全は、設備の状態を常時監視し、故障の予兆が現れた段階で対処する方式です。
振動や温度、電流値などのデータをセンサーで収集し、異常な数値を検知したタイミングでメンテナンスを行います。
設備の状態に合わせて処置するため、部品を寿命ギリギリまで使い切ることが可能で、無駄な交換コストを削減できます。
突発故障のリスクも極限まで減らせるため、近年注目されている手法です。
ただし、センサーや監視システムの導入に初期投資がかかることや、データ分析のスキルが必要になる点が導入のハードルとなる場合もあります。
効率化を実現する設備保全のあるべき姿
人手不足や設備の老朽化が進む中、これからの設備保全には効率化と高度化が求められます。
従来のやり方を見直し、テクノロジーを活用した新しい保全スタイルへと移行する必要があるでしょう。
経営視点で考える設備保全のあるべき姿について、以下3つを解説します。
- データを活用して故障を未然に防ぐ
- IoT導入で監視業務を自動化する
- 標準化を進めて誰でも対応可能にする
これらの取り組みが、生産性の向上と競争力の強化につながります。
データを活用して故障を未然に防ぐ
これからの設備保全では、経験や勘だけでなく、データに基づいた判断が不可欠です。
過去の故障履歴や保全記録をデータとして蓄積・分析することで、故障しやすい箇所や時期を予測できます。
これにより、トラブルが起きる前に対策を打つ「攻めの保全」が可能です。
たとえば、特定の部品が故障する頻度が高いと分かれば、より耐久性の高い部品に変更したり、点検重点項目に追加したりといった改善が図れます。
データを武器にすることで、保全活動の精度を飛躍的に高められます。
IoT導入で監視業務を自動化する
IoT(モノのインターネット)技術を活用すれば、設備の状態監視を自動化し、現場の負担を大幅に軽減できます。
センサーで設備の状態を継続的に監視し、異常を検知した際にアラートを通知することで、人による巡回点検の手間を減らせます。
遠隔地からでも稼働状況を確認できるため、トラブル発生時の初動対応も迅速化するでしょう。
熟練工が現場にいなくても設備の状態を把握できるため、少人数での効率的な運営へとつながります。
IoTは人手不足解消の切り札として、積極的な導入が期待されています。
標準化を進めて誰でも対応可能にする
保全業務の属人化を防ぐためには、作業の標準化を進めることが急務です。
ベテラン社員の持つノウハウや技術をマニュアルや手順書として形式知化し、誰がやっても同じ品質で作業できるのが理想です。
タブレット端末などで動画マニュアルを閲覧できれば、若手社員でも迷わず作業に取り組めるでしょう。
トラブルシューティングをデータベース化し、過去の対応事例を共有する仕組みも有効です。
組織全体で知識を共有し、特定の個人に依存しない体制を作ることが、強い現場作りにつながります。
まとめ:持続可能な生産体制を築くための設備保全へ
設備保全の高度化は、単なる「現場の修理作業」を「データ駆動型の経営管理」へと昇華させる重要な取り組みです。
保全の質を高めることは、OEE(設備総合効率)の向上、ひいては工場全体の収益性改善に直結します。
基礎知識や保全方式の違いを正しく理解し、IoT活用や標準化によって属人化からの脱却を図りましょう。
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