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加工部品の検査とは?品質を支える検査の重要性と種類を解説

自社製品の品質にばらつきがある、不良品の発生でコストが増大しているといった課題を抱えていませんか?
製造業において、加工部品の検査は企業の信頼性を支える根幹です。
本記事では、加工部品の検査がなぜ重要なのか、その3つの理由を深掘りします。
さらに、品質保証の基本となる外観検査や寸法検査といった主要な検査項目について解説します。
自社の検査体制を見直し、高品質なモノづくりを実現するための参考にしてください。
加工部品の検査が製造業で重要視される理由
加工部品の検査は、単に不良品を見つける作業ではなく、企業の未来を左右する活動です。
ここでは、加工部品の検査が製造業で重要視される理由を3つの観点から説明します。
- 製品の品質を維持し改善するため
- 不良品の流出による信用の失墜を防ぐため
- 長期的なコスト削減を実現するため
それぞれ見ていきましょう。
製品の品質を維持し改善するため
検査は製品の品質を一定に保ち、さらに向上させるために不可欠です。
安定した品質の製品を供給することで、顧客満足度が高まり、ブランドイメージが向上します。
検査を通じて「どの工程でどのような不良が起きているか」というデータを収集し、原因を特定することで、具体的な改善策を講じることが可能です。
このように、検査は品質を維持するだけではありません。
得られたフィードバックをもとに製造工程全体を改善し、より高いレベルの品質を目指すための起点となるからです。
不良品の流出による信用の失墜を防ぐため
徹底した検査は、不良品が市場や顧客の手に渡るのを防ぎ、企業の信用を守る最後の砦です。
たった1つの不良部品が、最終製品の重大な欠陥につながることがあります。
もし不良品が市場に流出してしまえば、大規模なリコールや損害賠償問題に発展し、企業の信用を大きく損なうことになりかねません。
そうした事態を未然に防ぐため、検査は最終的な安全を保証する役割を担っています。
顧客や取引先との強固な信頼関係は、一貫した品質の製品を供給し続けることでしか築けません。
検査は、その信頼を物理的に担保する行為といえるでしょう。
長期的なコスト削減を実現するため
検査は短期的にコストがかかるように見えますが、長期的には企業の総コストを削減する効果があります。
不良品が後工程に進んだり市場に流出したりすると、手直しや廃棄、返品対応などに莫大なコストが発生します。
製造プロセスの早い段階で不良品を発見できれば、その後の加工や組立にかかる無駄な費用を抑えることが可能です。
検査によって不良の発生を未然に防ぎ、余計なコストを削減することは、企業の利益率向上に直結します。
品質検査は、コスト削減という観点からも企業戦略の一環として位置づけられるべきです。
加工部品のおもな検査項目

加工部品の品質を保証するためには、さまざまな角度からの検査が必要です。
ここでは、加工部品の検査における代表的な3つの項目について、その目的と内容を解説します。
- 外観検査
- 寸法検査
- 形状検査
詳しく見ていきましょう。
外観検査
製品の表面状態を確認し、機能や美観を損なう欠陥がないかを判定する検査です。
製品の表面にあるキズや汚れ、バリ・欠け・変色などは、製品の性能に影響を与えたり、顧客の満足度を低下させたりする原因となります。
また、塗装面に色ムラがあれば、製品全体の見た目の品質が損なわれます。
これらの不具合を、おもに人の目やカメラを用いた画像処理技術によって確認するのが外観検査です。
外観検査は、品質管理のもっとも基本的な手順であり、製品が顧客の期待に応えるための第一の関門といえます。
関連記事:品質保証と品質管理の違いとは?基本的な考え方や4つの違いを解説
寸法検査
加工部品が設計図面に指示されたとおりの長さや幅、厚さ・穴の直径などを満たしているかを確認する作業です。
部品の寸法が正確でなければ、ほかの部品と正しく組み立てられず、製品全体の機能不全を引き起こします。
ノギスやマイクロメーターといった測定器を用いて、図面に記載された寸法公差(許容される寸法の誤差範囲)内に収まっているかを測定します。
寸法検査は、部品が設計どおりに機能するための、基本的な条件を保証する大切な工程です。
形状検査
部品が正しい幾何学的な形をしているかを確認する検査です。
寸法が合っていても、平面度や真円度、平行度といった形状が崩れていると、部品は正しく機能しません。
また、回転するシャフトの真円度が低い(つまり、真円でない)と、振動や異音、早期の摩耗の原因となります。
これらの形状の精度は、ダイヤルゲージや三次元測定機といった専門的な測定器を用いて検査されます。
形状検査は、とくに高い精度や機能性が求められる部品において、その性能を保証するために不可欠な検査項目です。
まとめ:充実した検査体制を持つ広商NEXUSが品質保証をサポート
加工部品の検査は、高品質なモノづくりに欠かせない工程です。
しかし、「検査方法を確立したい」「品質問題を解決したい」といったお悩みをお持ちの方も少なくないでしょう。
人手不足で検査体制の構築まで手が回らない、といったケースも少なくありません。
広商NEXUSは、モノづくり現場の課題を解決する技術商社です。
自社内に三次元測定機などの高度な設備を備えており、単なる製品販売にとどまらない万全の検査体制を確立しています。
「自社の検査リソースが足りない」「確かな品質保証体制を構築したい」といったお悩みがあれば、専門的な知見を持つ私たちに、ぜひ一度ご相談ください。